ジンバブエの音楽教室 「りる」第5号より
ジンバブエ K.O.
平成5年度1次隊
音楽
イベリンハイスクールにて
午前五時五十三分、日の出と共に目が覚めると言いたいが、今日も朝五時になると、寮の廊下を歩く生徒の足音で目が覚める。ジンバブエの女子校生も、日本の女子校生と同様、身だしなみのため毎朝鏡の前で何やら忙しそうである。朝食を済ませ、七時に寮を出て歩いて学校に行く。
学校は七時二十分から授業がスタートして、午後一時には終る。一コマが四十分授業の一日が七時間授業である。休み時間はなく(十時三十分から十一時まで、Tea Timeがある。)生徒は走って教室移動をしている。私は、一日約四時間の音楽授業を受け持ち、午後二時からクラブ活動を指導している。月曜日から金曜日まで、放課後コーラス、リコーダー、ピアノを教えている。(土・日は休日)
キャロルコンサート Large city Hall 前で六月十八日には、ブラワーヨでチャリティーコンサートを予定しているため、私自身、コーラス部の生徒には毎日練習をさせたい。・・・が、こちらでは日本の部活動のように、毎日練習をするという習慣が全く無く、週三回の練習が精一杯である。基本的には金曜日の放課後は活動などする習慣がないため、どうしてもピアノを弾きたい生徒のみが集まってくる。
今日は週三回のコーラスの練習の日、いつも必ず練習に顔を出す生徒が遅れて入ってきた。急いで自分の席につき、楽しそうに歌い始めた。練習の後で遅れてきた生徒に訳を聞くと、マニキュワをしていたのが見付かり、トイレの罰掃除をさせられていたのだ。(たまにはこんなこともある。)(学校には、Workerが十人程いるため、生徒が校内の清掃をする必要はない)
校門 ジンバブエの代表的樹木ジャカランダの花六月のチャリティーコンサートでは、日本語、ンデベレ語(現地語)、英語の歌を発表する。歌詞を書き、生徒にコピーした紙を渡して私が歌い生徒は聞いて歌を覚える。日本語の歌は、やはり彼女たちには歌詞を覚えるのが難しいらしく、一生懸命頑張って覚えている。
しかし、ンデベレ語や英語の歌のときは、私の発音を直してくれるので、逆に私が習っているような感じだ。彼女たちコーラス部の生徒は、私が日本で想像していたよりも遥かにレベルが高い生徒の覚えが早くって予定していたよりも進度が早いと嬉しい反面、プレッシャーを感じて、夜、寮での私の練習時間が増える。
夜十時、生徒の話し声・・・。「騒がしい、早く寝なさい!」と、寮母さんの怒鳴り声で、シーンと静まり、今日も一日が終っていく。三月初め、こちらでは最低気温十三℃、最高気温二十八℃位で、暑さのピークは過ぎ、今は過ごしやすい季節になった。ここは南半球だから、これから六月に向かって少しずつ気温は下がっていくのだろう。
香川では、桃の花、桜の花、そして新緑の季節へと景色もかわり、美しく、そして心はずむ季節となりますが、皆さまもくれぐれもお身体に気を付けて頑張ってください。
以上近況報告まで。