現地隊員レポート    「りる」第41号より

                                                    ボリビア   M.Y.
                                                             平成16年度2次隊
                                     看護師
                                                                


『ボリビア最大のお祭りオルロのカーニバル』

 香川県青年海外協力隊を育てる会の皆様、いつもたくさんの贈り物をいただき本当にありがとうございます。香川県の新聞を読むたびに日本にいるような気がしています。

 日本はもう夏でしょうか。日本の湿気むんむんの暑さが懐かしい今日この頃です。私の活動しているボリビアは日本の真裏、南米に位置していますので現在は冬です。しかし、ボリビアは広大な面積を有し(日本の約3倍)、同じ国の中でも気候が3つに分かれています。

アンデス山脈の麓に広がる首都ラ・パスは標高3750mある為、1年中を通して寒く「冬」です。しかし、ブラジル側に位置しているベニ県やサンタクルス県は年中暑く熱帯気候で「夏」です。また、その中間に位置するコチャバンバ県は年中通してそよ風が吹き丁度よい「秋」といったところです。同じ国でもかなり気候が違う為、少しの旅行をするだけでも大荷物。そして、よく体調を崩してしまいます。

 今回は広大な面積を有するボリビアのみんなが一年間の中で一番楽しみにしているカーニバルについて話したいと思います。

 毎年2月〜3月の「灰の水曜日(四旬節)」の前の週に行われるお祭りのことを「カルナバル」(カーニバル)といいます。ボリビア全土が4連休になります。各地でいろいろなイベントが開催されますが、その中で最も有名なのが「オルロのカルナバル」です。これは、ブラジル・リオのカーニバル、ペルー・クスコのインティ・ライミの祭りと並ぶ、南米3大祭りの1つでユネスコの世界遺産にも登録されています。

 オルロのカーニバルでは、各地からその地に伝わる伝統的な踊りを華やかな衣装と共に、最終目的地の教会を目指し約8時間踊り続けます。しかも、2日間にわたって・・・。
衣装は踊りによって違いますが10キ口近くあるものもあります。また、オルロは標高3800mとかなりの高地です。それでも、みんなこの日のために衣装を作り、何ヶ月も前から練習しているので、そんなことは全く苦にしていない様子。ニコニコ笑顔で踊っています。
  フォルクローレ楽器 

私たち協力隊員も、もちろん参加できます。自分の活動している任地の踊りのチームに入り2ヶ月前から猛特訓。毎週練習をし、衣装を合わせて、いざ本番です。活動をしながらの練習はとっても大変なようですが、その分、踊り終えた後の感動は何とも言いようがないようです。

しかし私は自分の任地に踊りのチームがなかったため、当日参加でよいという、歩いているだけ?というようなチームで参加したので感動はなかったのです・・・。でも、世界遺産のカーニバルに参加できたことは最高の宝物です!

 あと、このカーニバル中に忘れてはいけないものがあります。それは水風船です!!な〜んだ、水風船か。と軽く思ってはいけません!!なぜなら、家から1歩出ただけで体中水浸しなのですから!カーニバル中は老若男女問わず、すべての人が水風船を持っているといっても過言ではありません。そして誰彼かまわず投げつけるのです。自分が投げた水風船が当たるのを見て大喜びです。投げられた方ももちろん手には水風船を持っているので仕返し攻撃です。そしていろいろな場所で同じように戦いが繰り広げられるのです。

私もこのカーニバル中は毎日水浸し。合羽を着ても関係ありませんでした。もちろん楽しまないと損なので、大人とも子供とも水をかけあいました。オルロのように都市部での水かけは、水が綺麗だからまだいいのです。しかし、私の任地では水道から出る水も茶色。その上よく断水になるので子供たちは川の水を風船に入れて投げてきます。

これに当たると、もう涙しかでません。匂いが服に付き数日間川の匂いと生活です。しかし、どんな水が飛んでこようとも、この時は怒ることが出来ません。カーニバル中は無礼講なのです。どんなことをしても怒られないので子供たちは大喜び。1年の中で1番生き生き輝いているような気もします・・・。もちろん大人も・・・。

 日本では体験できないカーニバルに参加できたり、結構本気で水かけをしたりと楽しいボリビア生活も残り4ヶ月ほどになりました。思い返すとやっぱり「あっという間」です。言葉の壁や文化の違いに悩んだこともありましたが、でも楽しいこともいっぱいでした。
  一番有名な「悪魔の踊り」

病院内での活動に行き詰った時、優しく声をかけてくれた患者さんや病院スタッフ。道を歩けば声をかけてくれる村の人々。たくさん取れたからと果物をくれる近所のおばさん。どんな時でも味方になってくれたシスター。

たくさんの出会いがあったから今の私がいるのだと思います。もちろんいつもいつも見守ってくれている香川の両親、友達、そして香川県育て会の皆様。

いろいろな人のおかげでボリビア生活が無事終われそうです。本当にありがとうございます。まだ、4ヶ月ありますので残りのボリビアでの活動が良いものになるように、がんばりたいと思います。