現地隊員レポート 「りる」第37号より
ボリビア M.Y.
平成16年度2次隊
看護師
『私の海外青年協力隊』
香川の皆さんこんにちは。私は平成16年12月に任地ボリビア共和国に到着しました。
ボリビアは南米のほぼ中央に位置し、ペルー、アルゼンチン、ブラジル、チリ、パラグアイの5カ国に囲まれた内陸国です。日本の真裏に位置するため今ボリビアは夏です。クリスマスも真夏にあります。面積は日本の約3倍の110万ku、人口は約827万人です。人口の約55%がインディヘナで、民族衣装に身をくるみ長い黒髪をおさげにしている人を見かけることができます。
私はボリビアの第2の首都サンタ・クルス県のはずれにあるコマラパ市という所にある病院に勤務しています。コマラパ市には人口約1万5千人が住んでいます。コマラパは標高約2000mあるため、いつもそよ風が吹き朝、夕は寒いくらいです。
コマパラ
山々は本当に緑が美しく、空は青く、夜は毎日のように天の川を見ることができます。日本では感じられない景色を感じることができています。道には牛や羊が放牧されています。そんな景色を見ていると「のどかだなあ〜」とおもわず口にしてしまいます。
私の勤務している病院にはすでに2人隊員が入り活動をしていたので私は3代目になります。私の要請内容は、病院で働きながら同僚看護師へのアドバイス、地域住民への公衆衛生指導などですが、今はここに赴任して2ヶ月。言葉もうまく伝わらず、同僚や患者さんの話していることも分からないことが多くとても指導どころではありません。
今はみんなに仕事の方法を教えてもらい少しずつ自分のできることを見つけていく、それが私に今できる精一杯のことです。
同期隊員7人
赴任し初めの1〜2週間は今よりもっと言葉が分からず病院のことも同僚のことも、何もかもがわからず毎日のように「日本に帰りたい」と思っていました。そんなある日に、日本の友達から同級生が亡くなったとの連絡がありました。彼女はまだ26歳でした。まだまだしたいことが沢山あったはずです。でももう彼女はしたかったこともできなくなってしまいました。
私はどうでしょうか。自分が希望し協力隊に参加し、したいことをしている。そしてこれからもまだまだ何かできる可能性はある。それなのに「日本に帰りたい」とばかり言って、いろんなことを知ろうともせず後ろばっかり向いて前を向いていませんでした。誰にでも命には限りがあります。その事を忘れ「今」を大切にできていなかったことに彼女は気づかしてくれました。
それからは、病院のことやシステムなど少しずつ学んでいっています。焦らずゆっくりまずはこの病院に慣れていくことが大切なのだと思います。
病院のことを知っていくうちに患者さん達と親しくなり、どのような病気がこの地区には多いのか、なぜ病気にかかってしまうのかなどがよりわかり、どのようにかかわっていけばよいかなどが考えられるのではと思っています。
病院に来る患者さん達はみな自分の体や家族の体が心配です。それは国が違っても同じなのだと思います。ここの看護師さんたちはみな真面目で一生懸命仕事をします。しかし日本では当たり前の「患者中心の看護」はありません。患者さんへのやさしい言葉が足りないように感じます。
病気になり不安な心を私達看護師の言葉で少しでも和らげる事ができると私は信じています。看護師さんたちが今より少しでも患者さんにかける言葉にやさしさが増えるよう一緒に考え、一緒に看護し共に毎日を過ごしていきたいと思っています。
首都ラパス
私の活動は今始まったばかりです。できないことも沢山あります。何をしたらいいのか分からない時もあります。でも、協力隊に参加させてもらっていることに感謝し、毎日を私らしくコマラパの人々と共に過ごし次回報告する時にはよい活動報告ができるよう今を精一杯生きようと思います。
ラパスの教会