現地隊員レポート    「りる」第44号より

                                                    ベトナム   J.H.
                                                             平成18年度1次隊前期
                                    
日本語教師                                                                


「ベトナム活動日記」
 
香川県青年海外協力隊を育てる会の皆様、いつもご支援ありがとうございます。皆様のご支援のおかげで、私も無事に任期の半分を終えることができました。

 大学を卒業してすぐ協力隊に参加し、日本語教師としての経験もほとんどなかったため、毎日どのように活動するかを模索しながらの1年でした。この1年間の活動を、簡単に振り返ってみたいと思います。

 私は、ベトナムの首都にある、ハノイ国家大学人文社会科学大学の東洋学部日本学科というところで、1年生から4年生に日本語を教えています。ベトナムの大学生はとてもまじめで、アルバイトをする時間もないくらい、塾や家で勉強しています。分からないことがあればそのままにしないで質問するし、習ったことはしっかり復習するし・・・。もちろん個人差はありますが、そんな学生たちを見ていると、大学生だったころの自分が恥ずかしく思えてきます。
  初めての納豆

 ベトナムの朝は早く、授業は朝7時から始まります。午前は7時から10時、午後は13時から16時と、昼寝の習慣があるベトナム人らしく、昼休みが長く取られています。授業の最初と終わりには「先生、おはようございます!」「先生、さようなら!」と、気持ちのよい声であいさつをしてくれるので、最初は日本の大学との違いに驚いてしまいました。

 毎日の授業以外にも、できるだけ学生と一緒に行動するようにしています。首都に住んでいるといっても、学生たちはなかなか日本の情報を得ることができないので、学生といっしょに日本の料理を作ったり、日本のDVDを見たりしながら日本文化を紹介することができたら、と思っています。

また、大学で行っているセミナーの一環として、2007年4月に書道のセミナーを開きました。日本学科の学生をはじめ、他学科の先生や日越友好協会の方々、ハノイの書道クラブ、剣道クラブの方々など、本当にたくさんの方が参加してくださり、カメラマンまで来ていたためとても緊張しました。
  ベトナムといえばフォー

  日本語センターから習字道具を20セット貸していただき、たくさんの学生が練習できる良い機会だったため、簡単に日本の書道の歴史や道具の説明をした後、約2時間書道の練習をしました。すると、「みんなこんなに書道に興味があったんだ!」とぴっくりするほど熱心に字を書き、私にお手本を頼んできたため、このようなセミナーを開くことができて本当に有意義だったと思っています。

また、ベトナムでは昔漢字が使われていたため、多くの言葉は漢字で書き表すことができるのですが、現在の若者にはあまり知られていません。そこで、学生の名前の漢字を調べて書いてみると、とても好評で、みんな喜んでくれました。ぜひ今後も積極的に機会を設けて、学生に様々な日本文化に触れる時間を与えることができたら、と思っています。
  書道セミナー

このように、毎日学生と触れ合いながら楽しく活動をしています。ベトナムへ来る前は長いと思っていた2年間も、残すところあと半分しかありません。残り1年、悔いの残らないように、自分らしい活動をしていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  さくら祭りから