現地隊員レポート 「りる」第78号より
ソロモン 吉岡 三貴
平成29年度(2017)3次隊
看護師
『ソロモン40周年記念行事』
今年はソロモンに初めてJICA海外協力隊が派遣されてから40周年の節目にあたる記念すべき年で、7月20日に隊員が主催する行事が行われました。
この行事は、これまでボランティア事業へ協力いただいたソロモンの方々への感謝の気持ちを伝えること、海外協力隊及び日本のODA事業の「これまで/現在/これから」を紹介すること、ソロモンと日本の文化紹介を行い、相互理解を深めることを目的として開催されました。
イベントの準備は約1年前から実行委員が中心となって進めてきました。そんな中ステージやブースで何をするか検討していた時に、ふと”食品ブースでうどんを紹介したらどうだろう。香川のうどんを紹介する良い機会じゃないか!"と思いつき、すぐに実行委員に提案しました。
すると見事採用され、食品ブースでうどんを振る舞うことが決まり、うどん作りを担当することになりました。実行委員と共に、うどんを何人にどのように振る舞うかを検討した結果、40玉のうどんで120人(1玉を3人分にする)に、冷やしぶっかけうどんを作ることが決まりました。
また、うどんだけではなく香川県のことも紹介できるのではないかと思ったので、JICA四国や香川県青年海外協力隊を育てる会に連絡を取り、このイベントを開催すること、イベントの中でうどんを紹介することを伝え、香川県やうどんを紹介する英語パンフレットがないか、香川県産のお勧めのつゆはないかを問い合わせました。すると、すぐにパンフレットとさぬきうどんを紹介するボスター、香川県産のぶっかけうどんのつゆを発送してくださいました。
香川県から届いたパンフレットとつゆ香川県から支援を頂けたことはとても嬉しかったのですが、うどんの麺作りに失敗し、この支援を無駄にしないだろうかと不安にもなりました。一度に40玉もうどんを打った経験がなかったですし、実はこの頃は自分の家でも手打ちうどんを作っていたのですが、満足のいくうどんが打てず、うどん打ちが低迷していた時期だったからです。
当日展示している様子美味しいうどんを振る舞うために、すぐにうどんを打つ練習を始めました。いつもなら1回で打つ量は4玉分ですが、イベントではその10倍の40玉を打たなければならないことに加えて、ぶっかけうどんにのせる具材やつゆの準備もしなければならず、食材や調理器具がどれだけ必要か、作業する人が何人必要か、効率よく作業を進めるにはどう分担したらいいかなど、考えることはたくさんありました。
うどんを打っている様子とにかく未知のことすぎて、当日会場で振る舞うまでは不安は消えませんでしたが、少しずつ形になっていったことで当日が楽しみにもなりました。
うどんの麺でいっぱいになった冷蔵庫そしてあっという間にイベント前日となり、買い出しをして、隊員用のドミトリーで作業開始。男性隊員3人と共に、小麦粉と塩水を混ぜて生地を作る人、少し休めた生地をのばす人、切る人、茄でる人に分担して、約5時間かけて40玉のうどんを作りました。これだけの量を打つとなると体力も使いますので、男性隊員がうどん作りに協力してくれて本当に良かったです。
また、温度や湿度によって生地の硬さは変わりますし、うどんを茄でるお湯の温度が低すぎると、全く味も食感も違ううどんが出来上がったので、うどんを打つことの難しさ、奥の深さを改めて知りました。当日の朝は、つゆ、ねぎ、生姜を準備して会場へ。コップに盛りつけて準備完了。そして、ちょうどお昼時に配布が始まりました。食品ブースではうどんとカレーを準備していました。できるだけ多くの人に試食してもらうために、どちらか食べたい方を選んでもらいました。
盛り付ける前の様子すると、ほとんどの人がカレーを選びました,あっという間にカレーのご飯と容器がなくなり、カレーのルーだけが残ったので、最後はカレーうどんにして食べてもらいました。最後の人はラッキーでした。絶美味しかったでしょう。私も食べたかったです。うどんを食べてくれた人は皆さん美味しいと言ってくれていました。うどんという食べ物を知ってもらうことができて良かったです。
1人分をコップに盛り付けた様子その他にも、食品ブースの隣では着付け、書道、折り紙を体験できるブースを設けたり、私の職種でもあります生活習慣病予防活動の一環で健康診断(身長、体重、BMI、血圧測定)を実施したり、その予防法について啓発するブース等を設けていましたが、どのブースもたくさんの人が集まって、楽しんでくださっていたと思います。
うどんを試食ステージでは、武道の紹介、手品、楽器演奏、タムレダンス、隊員の配属先の人達のダンスなど、隊員だけではなく、ソロモンの人達も参加くださりとても盛り上がりました。私は、うどんを配り終えた後、武道の紹介の時に空手、その後タムレダンスを披露しました。空手は、大学時代空手部で黒帯を取っていたので、この経験がソロモンでも何か役に立つと思い、道着と帯を持ってきていました。
空手の形を演舞日本と言えば「空手」を思い浮かべるソロモンの人はとても多いです。ソロモンに来て、空手を教えてほしいと言われることが多く、1度だけ他のイベントで教えたことがあったのですが、このイベントの後にも、どこで教えているのかと聞いてきた方がいましたので、もう少し残りの任期が長ければ、空手教室を企画しても良かったのではないかと思いました。
タムレダンスを披露このイベントの最後は歌と楽器演奏でした。日本の曲(上を向いて歩こう)とソロモンで有名な曲を演奏し、最後の最後は会場の人達にもステージに上がってもらって、ソロモンの曲を一緒に歌いました。私は、カホンという打楽器を演奏したのですが、会場がとても盛り上がっていたので、私も気持ちよく演奏することができました。
最後はみんなで大合唱準備はとても大変でしたが、みんなの助けもあって、日本では経験したことがないことをたくさん経験することができましたし、多くのソロモンの人達に来てもらい楽しんでもらえたことが何よりも嬉しかったです。
集合写真
残りの任期も引き続き、ソロモンの人達と友好な関係を築き、支え合いながら、ソロモンの発展に努めたいと思っています。