現地隊員レポート 「りる」第51号より
シリア R.H.
平成21年度1次隊
音楽
『シリア便り』
シリアに2009年6月から協力隊員として派遣されたR.H.です。現在、ハマ市にあるパレスチナ難民キャンプの中学校で音楽の授業を受け持ち活動を行っています。学校は日曜日〜木曜日、朝7時〜12時までの6時間授業です。私が担当するのは男女2つの中学校。(パレスチナの学校は、イスラム教により男女別です。)教科は日本と同じ主要科目にイスラム教、フランス語の授業が加わります。
授業では、日本の小学校低学年レベルの簡単なソルフェージュ、パレスチナの音楽を扱い、クラブ活動で、ピアニカ、リコーダー、歌の指導を行っています。学校の同僚の教員、生徒はもちろん全員パレスチナ人です。難民キャンプはハマ市の中心部に近い一角にあり、地区として存在しますが、普通のシリア人と変わりなくパレスチナ人も生活をしています。
学校が終わると、一人暮らしの私を気遣い、毎日たくさんの生徒、同僚の先生が昼食に誘ってくれるので、家庭におじゃまして、一緒に食事を作り、囲みます。昼食の時間は、大体2時頃なのですが、その時間になると、家族全員が家に戻り一緒に食事をとります。食事が終わると甘い紅茶を飲み、1時間ほどお昼寝をし、仕事に戻ります。夕方4時頃からがようやく私のプライベートタイムです。それからは、アラビア語を勉強したり、ウード(アラブ弦楽器)を習ったり、おしゃべりしたりなどゆったりした時間を過ごしています。
今の私の目下の目標は、アラビア語の向上。赴任前に標準語(フスハー)を学んだのですが、現地では方言(アンミーエ)での会話が必須。この標準語と方言は、相違するところが少なく、一からまた新しい言語を学ぶ感覚なのですが、とにかく面白い。一つ一つ言葉を人から覚えていくこの感覚は、好奇心おう盛だった子供の頃の自分に戻ったようで、とても新鮮です。私の活動は二年間。現時点で赴任してから半年が経ち、シリアでの生活、イスラムの文化にも慣れてきました。シリア人、パレスチナ人と、たくさんおしゃべりし、楽しく活動を行えるように頑張りたいと思いますので応援よろしくお願いします。