現地隊員レポート    「りる」第46号より

                                                    セネガル   K.Y.
                                                             平成18年度1次隊後期
                                    
青少年活動                                                                


『バオバブ通信V』

 前回のりる(りる44号参照)で、「セネガル生活も早八ヶ月・・・」と報告していましたが、残すところ七ヶ月。とうに折り返し地点が過ぎていました。

 さて、昨年、調査していた給食一人当たりの米・油の分量については、回答を見つけることができました。その次にしたのは計量器探し。そのポイントは、「

(1)維持継続の観点から、村人でも入手しやすいものであること
(2)コスト削減のため、ある程度の耐久性があること
(3)手軽に計量が出来るように、すりきり一杯で量れるもの

」の3つ。しかも、米・油それぞれ一人用と十人用の計4種類の計量器を見つける必要がありました。

中でも難航したのは、米十人用の計量器探し。セネガル人の視線も気にせず、十人分の米が入った袋を持ち歩き、常設の市場や週一の大きな市場に足を運び、「この容器は!」と目をつけたものには片っ端から米袋を入れて、あたりをつけていきました。

相棒の栄養士隊員と「あれ、いいよねー。」と指した容器が、”赤ちゃんの便器”だった・・・ということもありました。また、やっと見つけた計量器もミーティングの結果、変更を余儀なくされることもありました。このように、検討を重ねて、グループとして納得の出来る計量器を発掘していきました。

セミナー時、参加者に計量方法を教えているところ

 それと並行して、新学期に導入できるようにモデル作成を進めていました。しかし、思った以上に時間がかかるため、配属先の県教育委員会の職員らと話し合い、モデル作成は延期し、セミナーを実施することになりました。

 昨年十一月に行った、この学校給食運営方法改善セミナーでは、学期中、給食を継続させるために、「

(1)一人当たりの米と油の分量を減量する
(2)毎回の給食時に計量する
(3)給食管理台帳を記入の上、提出する

」ということに重点を置いて開催しました。私は主に、米と油の減量に関する掲示物を担当したほか、計量器の紹介・実演と、参加者の計量練習の補助を行いました。

初めてのことなので心配していましたが、終わってみると、参加者の反応も良く、講師を務めた同僚からも高い評価をいただきました。

 そうして迎えた新学期。セミナーの事後フォローを兼ねて、バイクで行けるところは巡回して、計量が出来ているか、台帳の記入に間違いはないか確認しよう!と鼻息も荒く、給食が始まるのを楽しみにしていました。しかし、なかなか始まりません。その原因は、政府支援食糧が届かないから。隊員、配属先を含めて出来ることをやってもそれ以上の問題は存在します。

この件は、給食実施の根本に係わる問題です。来学年度はこのようなことがないように今から作戦を練らなければならないと厳しい気持ちで思いました。

 結局、食糧が届いたのは1月。それから、ぽつりぽつりと給食が始まりました。最近、新たに通いだしたタリー校は、プル族の村にある学校です。給食の献立は一種類のみであることや、燃料となる薪の代わりに乾燥した牛糞を使用していること等から、かなり切り詰めて給食を実施していると感じます。

 燃料となる牛糞を運んでくるタリー村の調理者

給食の運営を任されている若い校長の目下の悩みは、給食費の回収率が低いことと、一昨年に配給された青えんどうの調理方法を調理者が知らないため、大量の豆が手付かずのまま残っていること。そこで、給食費についてはタリー校に合った給食費の算出方法を伝えました。また、豆については私が調理者に青えんどうを使ったセネガル料理を教える方向で、現在話を進めています。

 「結果が見えない!」と焦ることは多々あります。それでも最近は、私が今している活動は、セネガルの子どもたちが集中して学習できる日につながっとんやなあと、やっと実感として思えるようになりました。