OB・OG活動(アフリカンコンサート報告)
「りる」第38号より
香川県青年海外協力協会会員
ホンデュラス Y.H.
『楽しかったですっ!』
香川県青年海外協力協会が毎年行っている、アフリカンミュージック・スクールコンサートでお呼びした、モフランさん(コンゴ出身)とダウディさん(タンザニア出身)による演奏会が、香川では初めて、養護学校にて開催されました。かねてよりの希望が実現したのは、二日目午後の香川県立高松養護学校と、三日目午前の香川県立東部養護学校の2校です。
そのうちの一校、高松養護では、先生や保護者の協力で、早くから準備を開始していました。例えば、みんなで歌う「マライカ」の曲を、音楽の時間に練習したり、毎日昼休みに流したり、好みのシェーカーを図工・美術の時間に作ったり・・・スワヒリ語で挨拶する練習もしたそうです。
待ちに待ったコンサートの日、開始が待ちきれなくて早くから体育館に来て待っていた子、準備の時からめずらしい打楽器に見入る子、遠くから何が始まるのか・・・・二人を見つめている子、会場に入るなり興奮気味の子などなど、みんな期待で胸がいっぱいといった雰囲気でした。
歓声に呼ばれて登場した二人の迫力に、子ども達も先生も保護者も、みんな釘付けでした。そして始まった演奏は、期待通りのはじけるリズム、本物のたいこの音、暑さを吹き飛ばすような声、初めて聞くスワヒリ語の歌、力強さと優しさが混ざった、爽快なものでした。1曲目から、子ども達のシェーカーは鳴りっぱなし、頭より高いところで揺れっばなしでした。途中で退場する子がいるのではないか、という心配もよそに、最重度の障がいがある子どもも、いつもより目が輝き、表情が豊かになっていました。どの子も(大人も)それなりに、心から楽しんでいる様子で、それが端からみてもよくわかって、うれしい気持ちになりました。
壇上で一緒に踊る場面では、20人以上の子どもが、できる限りの表現方法で、感動を体いっぱいに表していました。後から聞くと、壇上にあがりたくてもそこまで行けなかった子どもが、まだ何人もいたということです。当然のようにアンコールの声があがり、そして、それに気持ちよく応えてくれたお二人は、最後まで会場全体を、熱いリズムのシャワーで包み、しばし遠いアフリカの大地に誘い、気持ちよく異文化に触れさせてくれたのです。
最後の御礼の言葉は、子どもの心からでた素直な一言で、その場にいたOBの面々も、感動で涙がでたほどです。実習で作成した記念品を渡し、終了となりましたが、大勢の子どもがなかなか会場を去らず、次々に握手や記念撮影をしていました。先生や保護者にも大変好評で、またこういう機会を・・・という声がしばらく聞こえていました。こんな異文化体験の機会を、もっと多くの子ども達にも与えられたら、という思いを記して、報告に代えさせていただきます。