モルディブでの活動紹介 「りる」第37号より
モルディブ
A.Y.
平成14年度2次隊
美容師
モルディブ共和国の首都マーレに平成十四年十二月から二年間活動をしていました。モルディブはインド洋に浮がぶ千以上の島からなる海洋国家です。赤道に近いため年中暑いですが、大変きれいな海を見ることができます。
国教はイスラム教で生活と非常に密着に関係しています。一日に五回お祈りの時間があり、人々はモスクといわれる寺院で祈りをささげます。
私は青年スポーツ省に属し、首都マーレにあるユースアンドスポーツセンターというところで活動を行っていました。このセンターは日本の文化センターと役割が似ていて、いろいろなスポーツや写真教室、アクセサリーや衣服を作ったりする教室が行われています。そのひとつのヘアドレッシングアンドビューティケアのクラスで私は講師として教えていました。
モルディブには日本のように美容学校というものがありません。現地に美容室はありますがそこで働く多くの方がこの青年海外協力隊の美容師隊員の生徒だった方です。私で調度五代目のモルディブ美容師隊員になるので多くの活動の中でも歴史があるほうだと思います。
私は一般の生徒達と、地元の女子中学校の生徒たちに美容を教えていました。一般クラスの生徒たちはやはり女性が多いですが男性もいます。女子中学生達のクラスは選択科目のひとつという形でおこなっていて、ドレスメーキング(洋裁)と美容のどちらかを選んで生徒達がやってきます。もちろん全員が将来美容の仕事につくわけではないので、教える内容も基本的なことに限られていますが生徒たちはとても明るく、色んな質問をしてきます。彼女たちにとって私は外国の人でありしかも男の先生なので物珍しいようでクラスはいつもにぎやかです。
午前中に女子中学生のクラスが終わると、午後からは一般の生徒達のクラスが始まります。教室の大きさと設備の関係から一クラス六人から十人ほどで行っています。夜の十時まで合計三クラスを受け持っていて、いく人かは将来美容室で働く予定です。それ以外の生徒もカットやメイクなど非常に関心を持っていて時々友人や兄弟をつれてきて熱心に教わった事を実践しています。一般のクラスの生徒のほとんどが別に仕事を持っていて、子供を持っているかたも多いです。
モルディブはそれぞれ近親者をとても助け合います。知らない子供たちも一緒に食事によんだり、大きな病気になればお金を出し合って治療をうけます。ですから子供がいたり、仕事のある生徒たちも助け合い、時間を作ってクラスに来てくれます。
初心者向けコース、更なる上達を目指す中級コース、将来的な指導者をそだてる上級コースをおこなっていたのですが、所属する青年スポーツ省が、男性の美容師の育成に力を入れて欲しいと要請をうけたので男性のみのクラスも行いました。今日本は男性の美容師も多いですが(私もそうですが)、近い将来モルディブもそうなるかもしれません。
世界中にたくさんの国がある中で私はモルディブで活動ができて、スタッフやJICAの方の協力をえられ幸運だったと思います回生活をおこなっていくうえで日本では考えられないような慣習や文化、食べ物の違いがありたまに苦労や悔しい思いをすることもありましたががんばって活動を続けてよかったとおもいます。
我々、協力隊の派遣されている開発途上国は日本ではなかなかなじみのないような国も多いかもしれません。しかし、モルディブは日本から直行便も飛んでおり、年々新婚旅行などで訪れる人も多くなってきています。大変美しい自然があり人々も話好きで、戦争経験のないとても平和な国です。機会があるのでしたらぜひみなさんに訪れていただきたいと思っています。