現地隊員レポート             「りる」第56号より 

                                                    ヨルダン   N.M.
                                                             平成22年度1次隊
                                         環境教育
    

 

『ヨルダンより現地レポート』

 香川県の皆さん、こんにちは。現在、ヨルダンに派遣中の環境教育隊員の松下倫尚です。ヨルダンに派遣されて、もう1年が経ちます。派遣先は、ヨルダンのバルカ県にあるアインアルバーシャ地区の教育省の支局で、文化活動課が私の配属先です。主に、支局が管轄するアインアルバーシャ地区の学校を巡回し、その各学校に存在している環境クラブの活動を活発化させることが私の要請内容になっており、日々活動に励んでおります。

 さて、ヨルダンは約9万平方キロメートルの非常に小さい国です。日本の約4分の1の大きさで、北海道くらいの面積しかありません。ヨルダンには様々な地形がありますが、ほとんどがステップ平原と砂漠からなっています。隣国シリアの国境からヨルダンの首都アンマンの北部までは、標高が600メートルから1500メートルもあります。

 夏は日本の夏と違い、とても乾燥しています。個人的に、日本の夏より過ごしやすくていいと思っています。砂漠の国なので、雨や雪が降るイメージがないと思いますが、冬に頻繁に降りました。

 ヨルダンの人口は、約600万人で、日本の兵庫県と同じくらいの人口です。そのうちの約七割はパラスチナ人で、純粋なヨルダン人は少なく、全人口のうちの九割がイスラム教徒です。現在の国王アブドッラー二世は、預言者ムハンマドの第三十四番目にあたる直系の子孫であり、彼の家系が千年以上の間ヨルダンを治めてきました。ヨルダンでは反政府デモが過激にならず、比較的安定していますが、一時期、近隣諸国のチュニジアやエジプト、イエメン、シリアで過激デモと武力鎮圧が続いたため、一時は不安がよぎりました。

 ところで、ヨルダンには数多くの遺跡が点在しています。ギリシャ、ローマ、ビザンツ・イスラム期の城跡や出土物が観光資源としてヨルダンを支えています。一番の遺跡は、1985年にユネスコの世界遺産へ登録された、言わずと知れたペトラ遺跡でしょう。

 ペトラ遺跡の中にあるアル・ハズネ神殿は、映画インディジョーンズやトランスフォーマーの撮影場所として使われました。ほとんどの旅行者や観光者がこのような遺跡巡りを目的にヨルダンへ訪れます。

 今後も、ヨルダンの文化と現地の人とふれ合いながら、活動も充実したものにしていこうと思います。