グァテマラの文化        「りる」第6号より

     グァテマラ         M.N.

                     平成4年1次隊

                     陶磁器

 

 中米で”常春の国”と呼ばれるグァテマラは、たぶん日本では、コーヒーの銘柄や先住民族の色彩鮮やかな衣装、また最近ではノーベル平和賞を受賞したリゴベルタ・メンチュウ氏の祖国として知られていることだろう。

先住民族が人口の六十%を占めるこの国ではまず文化が豊かなことに感動する。首都は全くの都会だが先住民族の生活する地方では文明が浸透しているとはいえ、彼ら独自の伝統的生活形態が守られている。彼らの着用する色彩鮮やかな衣装は男性、女性と異なるが、特にウィピルとコルテと呼ばれる女性の上下着が目を引く。

ウィピルは織物でその文様と織りは村によって異なり、幾何学模様もあれば動物や人などの具象模様もあり、土地特有の文様が織られ、その糸の色使いは彼らにしかできないであろう独特の感性によるものである。

 私の任地ラビナルは首都からバスで六時間、約八十%のインディヘナ(先住民族)、二十%のラディーノ(混血)が生活している。女性は幾何学模様のウィピルにコルテを着ている。木曜と日曜の「市」の日にはいいウィピルを着て、畑でとれた野菜や果物を篭に入れ売り買いしているため「市」はいつも色鮮やかなものたちで目を奪われる。

 インディヘナの人々はスペイン語とラビナル・アチという彼らの言葉の両方を話し、敬虔なカトリックである。村と村内の各期区の共同体には守護聖人が祀られており、各聖人の日に行われる土着宗教が集合した祭祀儀礼は彼らの生活と密接に結びついている。

ここラビナルはそういった祭りが多く、また彩色陶器やヒカラ(瓢箪)細工などの工芸品の産地でもあり、民俗学的にとても興味深く面白く賑やかな所である。というわけで私は出不精となり、二年近くいるが任地以外グァテマラ国内をよく知らない・・・でもどの地方へ行ってもこの国の素晴らしい文化だけは彼らが支えていることに変わりがないのは確かなことである。

  パーティ? イベント? 派手なグァテマラの衣装