現地隊員レポート 「りる」第51号より
チリ T.I.
平成20年度3次隊
環境教育
『チリ便りU』
こんにちは、香川の皆様、お元気でしょうか。いつもお世話になっています。チリは今、春から夏に移ろうとしている頃で、暑くなったり寒くなったり、油断すると風邪をひいてしまいそうな気候です。日本では、三寒四温といいますが、十寒十一温くらい経ったのではないでしょうか。また夏になっても、外はギラギラ太陽が照り付けて暑いのですが、家の中は影になりうっすらと寒かったりするので、どんな服を着ればいいのかよく迷います。さすがに11月に雨はもうあまり降らないようです(チリでは冬に雨が降ります)。川の水量も減ってきました。アンデス山脈のおかげで水はたっぷりあります。孤島に住む日本人としては羨ましい限りです。
さて今回は、任地の食文化について話したいと思います。私の住んでいる町、Placillaは人口8000人の田舎町で、周りはブドウ畑が延々と広がっています。Placillaのある第6州はブドウの産地で安くて美味しいワインが作られています。Placillaにもワイナリーがいくつかあり、よく手土産にワインを買いに行きます(残念ながら私は飲めませんが)。千円も出せば美味しいワインがボトルで買えます(もちろんもっと安いカートン入りのもあります)。
樽いっぱいに入った搾ったぶどう(これがチチャになります)その他にもチチャというお酒があり、これもブドウから作られますが、自家製のものがほとんどのようです(ただし今はスーパーでも売られています)。家で採れたブドウを木の板にこすりつけるようにしてつぶし、その汁を樽の中に集めて何日かかけて発酵させます。すべて手作業でかなりの体力が必要です。私が訪問した家では大人の男性二人がかりで(交代で作業していたので二人以上いました)大汗をかきながら何時間もブドウを手で搾り続けていました。自家製のチチャは日持ちがしないので、その旬のものを飲みます。また、ワインより甘味が強く、アルコール分も多いようです。夏の残ったブドウをかき集めて家族で作って飲むらしく、夏の終わりの大きなイベントの一つ(?)のようです。
pastel de choclo(パステル・デ・チョクロ)チリの料理を少し紹介します。チリの代表的な料理といえば、pastel de choclo(パステル・デ・チョクロ)です。とうもろこしをつぶしたものに、細切れの牛肉、玉ねぎ、ゆで卵、骨付き鶏肉、オリーブなどを入れ、上にチーズをかけてオーブンで焼いた料理です。これも家庭それぞれの味があるようです。熱々を食べると本当に美味しいです。このバリエーションで、蟹をいれたもの、貝をいれたものなどがあります。
pastel de chocloを作る食堂のお母さん
私自身は、つぶしたとうもろこしをその皮に包んでゆであげたげhuma(ウマ)というシンプルな料理のほうが好きで、いくらでも食べられます。
huma(ウマ)
残念ながら、日本でチリ料理はあまり知られていません(香川にはもちろんレストランはありません)。チリ料理の特徴といえば、「塩」と「油」です。サラダもスープもどんな料理にもご飯を炊くときでも、塩と油は必ず入れます。
注意をしなくてはいけない食べ物は、pan(パン)とmanjar(マンハール)です。パンはとんでもない量のラードと塩が入っているので、食べるとお腹や背中に肉がどんどんついていきます。とても危険です。チリの人でも太りたくない人はあまりパンを食べません。
マンハールはチリの人には欠かせないペースト状の食べ物で、牛乳を煮詰めて作るキャラメルのようなクリームです。これはありとあらゆるお菓子に入っています。チョコレート、ケーキ、チュロス、クッキー、何でもござれです。これもかなりの砂糖が使われています。
チリ料理は和食に比べると、少々大雑把ですが、私はいろいろ楽しく美味しくいただいています。おかげさまで風邪一つひかずに毎日を過ごしています。帰国までにはいくつか習って作れるようになりたいなあ、と思っています・・・乞うご期待!!!