現地隊員レポート             「りる」第55号より 

                                                    ブルキナファソ  N.N
                                                             平成22年度2次隊
                                         青少年活動
    

 

『ブルキナファソって知ってますか?』

 ブルキナファソという国を知っている人が日本にどれだけいるでしょうか?

 ブルキナファソは西アフリカの内陸国で、人口は約1500万人、面積は日本の約70%、イスラム教徒が多く、フランスの領地だったこともあり公用語はフランス語、最貧国の一つで5歳児未満時死亡率は1000人あたり191人、10人に約2名の子どもが亡くなっており、ストリートチルドレンも首都だけで1000人を越し年々増え続けています。

 こんなブルキナファソに来て5ヶ月がたちました。私は首都ワガドゥグの青少年センターで主にストリートチルドレンを対象にスポーツや遊びを中心に情操教育を行っています。主にサッカーやなわとび、折り紙などを子ども達と一緒に行います。

  元気な子供達

 今回はブルキナファソという日本には馴染みの薄い国を僕の経験を元に紹介していこうと思います。

・ブルキナベ(ブルキナファソ人)は綺麗好きなお洒落さん
  ブルキナベは毎日綺麗な服を着て、靴もぴかぴかに磨いています。女性は巻きスカートや伝統衣装に身を包み頭に布を巻いたり、手首や首、耳にもアクセサリーをしています。髪の毛は男性のほとんどが坊主で、女性は編み込んだりカツラを被ったりして常にお洒落に気を使っています。町を歩くとそんなお洒落な民族衣装に身を包んだ人をよく見ます。

  頭にビーズをつけ子供の頃からお洒落

・買い物や食べ物
  一年を通して暑い日が続くブルキナファソでは、マンゴーやパイナップル、パパイヤなどが沢山採れます。道沿いに所狭しと野菜や果物が並べられて、店の前を通っただけで「シノア(中国人)、ナッサーラ(白人)」と声をかけてきます。彼らからしたら日本人の顔や肌の色は中国人であり白人なのです。小さな子ども達に出会ったら「ナッサーラ」の大合唱がはじまります。

そして、いざ何かを買おうとすると次は値段交渉が待っています。彼らからしたら日本人=お金持ち=稼ぐチャンス、なのでブルキナベの倍以上の値段を吹っかけられる事もざらです。タクシーを乗るときも現地人なら200FCFA(40円)も払えば大抵の場所には行けるのですが、一度5000FCFA(1000円)も吹っかけられたことがありました。

という風に高い値段を吹っかけてきたりしたら「高すぎる!普通は○○FCFAだろ!ブルキナに住んで長いんだから知ってるんだぞ!隣の店に行くぞ」などと色々言って出来るだけ安くしてもらいます。でも自分の行きつけの店などでは逆に相手から少し余分にサービスしてくれたりもします。

 私が良く食べるブルキナファソの伝統料理にはトウと言うものがあります。トウモロコシを潰してお餅のようにしたものにオクラやキノコをベースにした様々なソースをかけて食べます。トウは人によって好き嫌いが分かれるのですが、私は大好きで、毎日子ども達と一緒にトウを食べていて、ブルキナベにも「のぞみはトウばっかり食べてるな」と言われます。

  トウを作る女性

 他にもリ・ソースというお米にアフリカナスやキャベツ、肉、をピーナッツソースやトマトソースで煮たものをかける料理やリ・グラというお米の油妙め等も良く食べます。豚や牛、羊や鳥も街中のいたるところで解体されており、食べる時も鳥の顔や骨が丸々残っている所をかぶり付くという感じです。パック詰めされ、骨も綺麗に取られた日本のスーパーに並んでいる肉とはかなり違います。

  木登り少年

  リ・ソース

・ストリートチルドレンの体型
  そういう食事のため少し変わっているなと思う場面もありました。普通ストリートチルドレンといえば凄く痩せている子を想像するかもしれません。もちろんそういったガリガリの子ども達もいます。でも、お腹がポッコリ出ていたり、私よりも体つきの良い子どもも普通にいます。ご飯を食べれる機会は少ないのですが、ブルキナの料理は基本的に油が沢山使われているし、食事のバランスを考えて野菜を沢山取るお金もないので痩せていてもお腹だけはポッコリと出ているのです。なので、そういう食の事情を知らない人は「結構ストリートチルドレンもご飯を食べてるんだな」と思ってしまいますが、ただ単に油を沢山とっているだけなので栄養バランスはとても悪く病気もよくします。

・早起きな人々
  ブルキナベの一日はとても早く、朝から自分の家の掃除やご飯を作ったり、また昼間は暑い為シエスタというお昼休憩があり、学校やスーパーなどは12時〜15時まで休憩する所が多いです。なので、朝の涼しいうちから動きだします。私の家の近くにはモスク(イスラム教の教会)があるので、朝の4時ごろからお祈りの声が聞こえてくることもあります。

・娯楽・イベント
  ブルキナベは音楽とダンスが大好きで、週末になるとディスコテック(クラブ)に行き踊ります。私もよく職場の人に週末踊りに行こうと誘われます。また、祭りの時も大音量の音楽を流して子どもも大人も踊ります。毎日、街中の至る所で陽気なアップテンポのアフリカンミュージックが流れてきます。

  町の商店

 彼らは映画も大好きで、クンフー・空手映画なども見ており、よく私に「空手は出来るのか?」「ジャッキーチェンを知っているか?」などと質問します。一番私が驚いたのは「日本には『ヤクザ』がいるんだよね?」と言われた時です。ブルキナファソでは任侠映画も見る事ができるらしく日本には『ヤクザ』がいるということも知っていました。

 また、ブルキナファソではアフリカで一番大きな映画祭『FESPACO』(Festival du Panafricain du Cinema et de la television de Ouagadougou)も2年に一度奇数年に行われます。

アフリカ中の映画が集まりいろんな国から沢山の人々が首都ワガドゥグに集り、町全体が活気付きます。

 またツールドファソという西アフリカで一番大きな自転車の大会や『シアオ』というアフリカ最大級の物産市など様々なイベントがあるのもブルキナファソの大きな魅力です。

 今回は初めての「りる」掲載ということで少しですがブルキナファソの人々や文化について紹介してきました。これから、もっと深くブルキナベと関わっていき、より深くブルキナファソの事や私の活動を紹介して、少しでも多くの方にブルキナファソという国の魅力や日本との違いを知ってもらえたらなと思います。