現地隊員レポート             「りる」第83号より 

                                                    アルゼンチン   矢野 夢子
                                                             平成30年度(2018)3次隊
                                         日本語教育
   

アルゼンチンでの活動と現在の活動

 こんにちは、2018年度3次隊アルゼンチン派遣の矢野夢子です。
私は、ブエノスアイレスの郊外にあるブルサコという町で、日系人や現地のアルゼンチン人に日本語教育を行っていました。

 現地に赴任してまず感じたのは、日本からもっとも遠く離れ、地球の裏側にあるアルゼンチンなのですが、日系コミュニティーはとても日本らしく、日本文化を大事にしているということでした。

ちょうど赴任直後が配属先の盆踊り大会の時期で、みんな浴衣を着てやぐらを囲んで踊り、屋台には日本食が並んでいたり、エイサーや太鼓、カラオケなどのショーもありました。会場は地元の人でいっぱいで、身動きがとりづらいほどの賑わいでした。

今アルゼンチンは日本ブームで日本に興味があったり、日本語を学びたいという人が増加しているそうです。

 配属先では日本語の教育はもとより、子どもたち自身の成長に力を入れ、知徳体の教育を大事にされていました。午前は日本語の授業、午後は音楽や工作、体育、習字などのアクティビティー中心の授業です。

お昼ご飯はみんなで給食を食べて、下校前には掃除をして帰りますが、その中でも、メリハリやマナーなどの生徒指導をきっちり行なっていました。

 子どもたちは普段スペイン語で生活をしているため、日本語に対して抵抗を感じている子も少なくありません。そのため活動する中で困難なことも沢山あったり、自分の力不足をひしひしと感じたりもしましたが、いつも慕ってくれ、逆に多くのことを学ばせてくれた子どもたちや同僚の先生方に感謝しています。

 活動が休みの日にはアルゼンチンの北から南まで旅をしました。有名なイグアスの滝やパタゴニアはもちろん、原住民の文化が残っているフフイやサルタ地方も大好きです。

 いつかまた必ずアルゼンチンを訪れ、お世話になった方々に会いにいきたいと思います。
コロナの影響により予定よりも早く日本に帰国した後、私は鹿児島県奄美群島の徳之島という島で、日本でも珍しい国産コーヒーを栽培されている農家さんの元で、しばらくお世話になっていました。

コーヒーのこと、農業のことだけでなく、大工仕事も行い、日々の生活スタイルやものの見方、考え方など多岐に渡って多くのことを学ばせてもらいました。毎日が楽しく、この農園主さんとの出会いは自分にとって本当にかけがえのない財産です。

 そしてそこでの活動が次に繋がり、4月からは徳之島で地域おこし協力隊として、島の特産品などを使った商品開発に励んでいます。

これまでの自分の経験や知識とは全く異なる環境や活動に不安もありますが、このような機会を頂けたことに感謝し、周りの人々のあたたかさの中、目一杯楽しんでチャレンジしていきたいです。

 徳之島では家族のように受け入れて頂き、晩御飯や農産物のお裾分けを頂いたり、ハプニングには飛んで駆けつけてくれる近所の方がいます。本当に素敵な人ばかりです。綺麗な海も山もあり自然豊かで大好きなこの島で、今自分ができることを精一杯頑張っていきたいと思います。